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    スタートアップに必要なのは「原体験」と「正しい型」-Startup Science作者の田所雅之氏インタビュー

    • ferret 編集部
    • 2017/04/27

    こんにちは。Marketer's STORE編集部です。

    みなさんはStartup Scienceというスライドをご存知でしょうか。

    2017年1月に田所雅之氏がリリースした、スタートアップが成功するための知識やフレームワークを1,229ページものボリュームでまとめたコンテンツです。

    Startup ScienceをアナウンスしたMediumのブログはリリースして2ヶ月で4,000シェア、20万を超えるPVを記録しました。スタートアップ界隈ではほとんどの方が目を通したのではないでしょうか。

    今回は田所氏にインタビューを行い、Startup Scienceを作成した経緯や、スタートアップに向けたメッセージを伺いました。

    Startup Scienceは5年前の自分に向けたコンテンツ

    tadokoro4.JPG

    編集部:
    Startup Scienceを作成した経緯を教えてください。

    田所氏:
    僕は2011年にシリコンバレーで起業し、実際にスタートアップを経験しました。スケールすることを目指して起業をしたのははじめてだったのですが、失敗に終わってしまいました。

    そこで自分がやってきたことが正しかったのかを棚卸ししようとしたのですが、事業を経営しながらなので時間がなかなか取れなくて。
    自分がやってきたことは正しかったのかどうかを検証しようにも、当時はスタートアップに関する文献自体少なかったんです。

    だから、自分でスタートアップの文献、コンテンツを作ろうと思ったんです。
    2014年くらいから少しずつコンテンツを書き始めて、2015年の8月に565ページのスライドとしてまとめて日本語と英語でリリースしました。

    さらにスタートアップに関するニュースやブログ、文献などのネタもたまってきた時に、圧倒的なコンテンツを作ってみようと思ったのが2016年の年末。
    それから1ヶ月半で「Startup Science」をつくりました。

    リリースしてから、投資家やスタートアップの集まるイベントでほとんどの人が「Startup Science」を知ってくれていて驚きました。
    gumiの國光さんもシェアしてくださって、その影響からか、僕のところに多くのメッセージが寄せられました。

    國光さん_fb投稿.png

    僕は起業を経験していますし、アドバイザーとして見てきた新規事業は100以上、デューデリジェンスをしたスタートアップは1,500社を超えます。
    2016年にはヨーロッパ最大のスタートアップフェスティバルのPioneersのアジア地区マネージメントメンバーを務めていて、Fenox Venture Capitalのベンチャーパートナーとして日本とアジアのスタートアップを多く見てきました。

    国内外の多くのスタートアップを見てきたからこそ、そして僕自身が起業家で自分で失敗した経験があるからこそ、僕は「Startup Scienceを書くために生まれてきた」という強い思いでコンテンツを作っています。

    誰から強制されているわけでもないし、作るのもとてもめんどくさい。でも複数の言語が扱えて、起業経験があって、コンテンツが作れる人は僕しかいないと思っています。

    スタートアップはそもそも「どのフェーズでどんなことをしたらいいか」がわからないことが多いんです。それにめちゃめちゃ忙しい。
    正しい知識を得ようと思っても、体系だった文献もない。だからStartup Scienceでは、ワンストップで全ての知識をわかりやすく伝えるという価値を提供したいと思ったんです。

    それによってスタートアップが「成功する可能性」を高めることができると思います。いわゆる「守破離」という言葉の「守」の部分、「型」を提供したい。型を学んだ後は各スタートアップのやり方でいいと思うんですが、成功の可能性を高める基礎を伝えることで救うことができる人も多いと思うんです。

    もし、僕が作成したStartup Scienceをシリコンバレーで起業した当時の自分が読んでいたら、失敗する可能性は低かったと思うんです。
    つまり、Startup Scienceは5年前の当時の自分に向けて作成したコンテンツなんです。

    僕自身がStartup Scienceのいちばんの読者でありたいと思っていて、自分が納得しないものは世に出したくないと思っています。

    自分自身がスタートアップで失敗した経験があるからこそ、その原体験をもとにStartup Scienceを広めていきたいです。

    スタートアップに必要なのは原体験と正しい型

    tadokoro2.JPG

    編集部:
    Startup Scienceを体現し、スタートアップを成功させる可能性が高い人はどんな人だとお考えでしょうか?

    田所氏:
    解決したい課題を「自分ごと」として捉えているかどうかではないでしょうか。

    スタートアップはそもそもが四面楚歌の戦いなんです。つらいことがいっぱいある。それでも続ける、やりぬく、「自分はこの課題を解決するために生まれてきた」と思えるくらいの熱量がないといけない。

    しかしユーザーやカスタマーは「課題を伝えること」が仕事じゃないし、その必要性はないですよね。
    まさにユーザーのインサイトを見つけることがスタートアップの仕事であって、それがはずれることも多い。

    それが「Problem Customer Fit」です。課題がそもそもあるのかどうか、ユーザーから課題を聞き取れないことが続いても、自分が納得できるかどうかが問題です。
    自分が感じている社会の課題感があって、それをどうしても解決しなきゃいけないと納得できないのであれば、課題のインサイトを探し続けなくてはいけない。

    このプロセスは本当につらい。現代だと、すでに出来上がっているプロダクトやビジネスモデルが多いですよね。でも考えぬかなきゃいけない。

    有名な話だとデュアルサイクロン掃除機を開発したジェームズ・ダイソンもこのプロセスを踏んでいますよね。彼は5,000台以上のプロトタイプを作っているわけです。従来の掃除機を使い続けていると紙パックがつまってしまって、床が綺麗にならないんですよね。ジェームズは綺麗好きなので、吸引力が落ちる掃除機に憤りを覚えてしまって、自分で吸引力の落ちない掃除機を作ろうと決めたんです。

    このような、「憤り」という自分の原体験、そしてその憤りを払拭することへの執着心。これがスタートアップにはとても重要な要素の一つになります。

    いかに原体験をストーリーにして語れるか。
    例えばユーグレナの出雲さんも大学生の時に訪れたバングラディッシュで栄養失調の子供達を多く見た経験があるから、「ミドリムシで食料問題を解決したい」というストーリーが生まれているんですよね。

    僕はスタートアップは「仲間集め」だとも思っていて、そのためにはストーリーテリング(Stroy Telling)が大事になります。自分が思っている原体験、それをどのように解決していくかというストーリーを伝え続けることによって、それに共感する仲間を集めていく必要があります。

    ピーター・ティールの言葉で「スタートアップとは、君が世界を変えられると、君自身が説得できた人たちの集まりだ」というのがあります。FacebookだってAmazonだってGoogleだって、どんなに大きな組織になってもトップはストーリーを伝え続けていますよね。

    ただ強い原体験を持っていればスタートアップが成功するというわけではありません。先述の通り、「正しいスタートアップの型」を守る必要があります。

    「原体験」と「正しいスタートアップの型」、この2つを実現できる人がスタートアップを成功させる可能性が高い人だと思います。

    パラダイムシフトを見逃すな

    編集部:
    強い原体験を持つこととビジネスを紐付けるために、必要な考え方はなんでしょうか。

    田所氏:
    スタートアップは本業とは別のサイドビジネスから始まることが多いです。原体験を持っていなくとも、「スタートアップをはじめてみよう」と思い立ってはじめる人も多いですよね。

    そういう場合はとにかくMVP(Minimum Viable Product、実用最小限のプロダクト)を作って、仮説と検証を繰り返すことで、だんだんと「ユーザーはこういう悩みを持っているんじゃないか」「こういう課題を持っているんじゃないか」と感じ始めることもあります。

    その課題感覚を自分と照らし合わせることで、強い原体験が生まれることもあります。

    また世の中がどのようにパラダイムシフトしていくのかを常に注目していく必要があると思っています。

    マクロ環境分析の一つ、PEST分析(Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術))の中で唯一非可逆的なのは「テクノロジー」です。政治も経済も社会も揺れ動いていきますが、テクノロジーだけは昔に戻るということはありません。

    例えば映像に関するテクノロジーのパラダイムシフトは、VHSで見るものからDVDに、ダウンロードして見るものからストリーミングするものへと変化してきました。2016年はVR元年と言われていましたが、なんでこんなにVRが流通してきたかっていうとチップセット(複数の集積回路のこと)の価格が安くなったからなんですね。これはテクノロジーのおかげです。

    movietrend.jpg

    では映像のテクノロジーは次どうなるか?例えば2020年以降でVRのストリーミングがくるかもしれない。このように「次のパラダイムシフトがどうなるか?」を考えておくことがとても大事です。

    そのヒントは、例えばFacebookが毎年開催している「F8」や「Tech Giants (Amazon, Google, Microsoft, Softbank)」のローンチ情報に注目することで得られます。

    Airbnbが広く浸透したのもそもそもはスマートフォンを使うユーザーが増えたからだし、スマートフォンでAirbnbをストレスなく使えるのはFacebook認証ログインができるからですよね。

    これもやっぱりテクノロジーが発達したから、パラダイムが変わったからできたビジネスモデルであるわけで、自身が感じる原体験を解決するためのソリューションとテクノロジーをいかに掛け合わせるかがスタートアップには重要なんです。

    とにかくユーザーをとことん知り尽くせ

    tadokoro3.JPG

    編集部:
    田所さんがスタートアップのアドバイザリーをする時に着目するのは、どういう部分でしょうか。

    田所氏:
    ユーザーの痛みをありありと語れるかどうかですね。
    ユーザーのことがめちゃめちゃわかっていて、ユーザーの課題解決のためのことを四六時中考えているような人かどうかを評価します。

    最終的にIPOなどのイグジットをする場合、社会のインフラとして企業活動を行っていくことになるので、その課題解決を何よりも優先しているかどうかは大事なことです。

    またそのストーリーがビジョンに組み込まれているかどうかも見るようにしていますね。

    編集部:
    田所さんの今後のストーリーを聞かせてください。

    田所氏:
    僕自身は、2020年までにスタートアップの世界的権威になりたいと思っています。

    Startup Scienceのようなコンテンツを圧倒的なものとして、スタートアップに提供しつつ、VCのような活動も行いたいですし、自分のクローンとなるような人材を育成して、Ycombinatorのような組織を作ることもしたいです。

    どんな形になるかはわかりませんが、直近ではStartup Scienceの第二弾を作っていて、5月には1月にリリースしたものの1.5倍くらいのボリュームで世の中に発信したいと思っています。

    まとめ

    スタートアップに必要なことは「原体験」と「正しい型」。

    田所氏が語る2つのポイントから、みなさんはどんなことを感じ取ったでしょうか。取材をしながら筆者が感じたこととしては、個人の人生設計においても「なぜそのキャリア、人生を選んだか=原体験」、「どのように達成していくか=正しいやり方」という形で応用ができる考え方なのではないかと思いました。

    田所氏が作成したStartup ScienceはこちらのSlideshareから閲覧することができます。

    「スタートアップの正しい型」を求める方はぜひご覧になってみてください。

    田所 雅之氏 プロフィール
    日本とシリコンバレー合わせて、4社の企業実績のあるシリアルアントレプレナー。
    
    現在は、株式会社Basicの新規事業担当のChief Strategic Officerをつとめながら、シリコンバレーのFenox Venture Capitalのベンチャーパートナーとして、日本及びアジア地域の投資を担当している。(これまで1500社近いスタートアップのDue Dilligence実績)
    また、日本とシリコンバレーのスタートアップ数社の戦略アドバイザー/ボードメンバーも兼任している。
    

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